この記事を書いた人
シグラド合同会社
「犬猫百貨店」はシグラド合同会社が運営する、犬・猫との暮らしに役立つ情報を発信する総合メディアです。
掲載している記事は、公開前に運営チームによる事実確認・編集を経たうえで公開しています。犬種・猫種図鑑からお出かけ情報、グッズ選びまで、愛犬・愛猫との暮らしに役立つ情報をできるだけ具体的にお届けすることを大切にしています。
この記事を書いた人
シゲ
実は昔、ベランダによく現れる野良猫がいました。人懐っこくて、雨の日も晴れの日も顔を出しては、ご飯をあげたり体を拭いてあげたりしていました。その子との時間は今でも大切な思い出です。
今はペット可の物件に住んでいて、どの子をお迎えするか考えている最中です。できれば保護犬・保護猫を迎えたいと思っています。
「犬猫百貨店」では、編集部が実際に調べた情報をもとに、皆さんとペットとの暮らしがより豊かになるような情報をお届けしています。
「大型犬なのに子犬みたいにはしゃぐ」は本当なのか

フラットコーテッド・レトリバーを初めて見た人は、まずその輝くような黒いシルエットに目を奪われます。
スラリとしたボディに、波打つ光沢のある被毛(コート)。
レトリバー系の中でも特に凛々しい見た目をしている犬種なのに、いざ近づいてみると……ものすごい勢いで尻尾を振りながら突進してくる。
これが「永遠の子犬」と呼ばれる理由のすべてを物語っています。
成犬になっても子犬のような無邪気さと全力の陽気さが抜けない。
そのギャップが、この犬種の最大の魅力であり、同時に「思っていたより大変だった」と感じるポイントでもあるようです。
調べてみると、フラットコーテッド・レトリバーはゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーと同じ「レトリバー系」のグループに属する猟犬で、水鳥などの獲物を回収する(retrieve する)ために活躍してきた犬種だそうです。
その仕事柄、人との連携を最優先に発達してきた犬なので、人懐っこさはDNAレベルで刻まれているとも言えます。




ひと目でわかる基本スペック
フラットコーテッド・レトリバーの基本スペック
まずはフラットコーテッド・レトリバーの基本情報を数字でざっくり把握しておきましょう。
詳しくは以降のセクションで順番に解説していきます。
結局、性格はどうなの?「陽気」だけじゃ伝わらない本音


一言で言えば、「全力で人が大好きな楽観主義者」です。
警戒心や縄張り意識がほとんどなく、知らない人にもフレンドリー。
番犬には向きません(笑)。
それよりも、会う人みんなに尻尾を振り続けるような性格です。
SNSでフラットコーテッド・レトリバーの投稿を見ていると、「成犬3歳なのに子犬みたいにはしゃいでる」「5歳になってもおもちゃで全力で遊ぶ」という声がたくさん出てきます。
これは誇張ではなく、この犬種の特性として広く知られた傾向のようです。
また、知的好奇心が高く、学習能力も優れている犬種と言われています。
しつけには前向きで、ポジティブな訓練には特によく応えてくれるそうです。
一方で、退屈するとストレスを発散しようとして、困った行動(家具を噛む、吠え続けるなど)に発展することも。
「賢い分、暇にさせると大変」というのは、フラット飼いの方が口を揃えて話すポイントです。
ゴールデン・レトリバーと比較されることが多いですが、ゴールデン・レトリバーとラブラドールの違いについてはこちらの比較記事も参考になります。
フラットコーテッドはその中でも特に「精神的な成熟が遅い」と言われ、3〜4歳まで子犬っぽさが抜けないケースも多いそうです。






1日2時間の運動って、どのくらい大変なの?


フラットコーテッド・レトリバーに必要とされる運動量は、1日合計で1.5〜2時間以上が目安と言われています。
朝晩2回の散歩だけで完結させようとすると、1回あたり45〜60分ずつが必要になる計算です。
これは「大変」かどうかは人によりますが、正直に言うと、フルタイム勤務+運動が得意でない方には少しハードルが高いと感じます。
ただ単に距離を歩くだけでは発散しきれないことも多く、ボール遊びや泳ぎ、アジリティなどの「頭と体を両方使う運動」が特に向いているようです。
実際に飼っている方に聞くと「公園でのロングリードのボール投げが一番消耗してくれる」「水が大好きなので川や海に連れて行くと別犬みたいに満足する」という声が多く見られます。
レトリバー系の本能である「取ってくる(retrieve)」行動を活かした遊びが、この犬種には特に合っているようです。
なお、大型犬ゆえにフローリングでの滑りにも注意が必要です。
関節への負担を減らすためにも、室内の床対策は早めに取り組むのがおすすめです。
犬がフローリングで滑る対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。



被毛のお手入れ、正直どのくらい手間がかかる?


フラットコーテッド・レトリバーの被毛(ひもう:体を覆う毛全体のこと)は、なめらかで光沢があり、やや波状になっています。
長さはミディアム程度で、耳・胸・脚・尾にはフェザリングと呼ばれるふさふさした飾り毛があります。
お手入れの頻度は週2〜3回のブラッシングが基本です。
換毛期(かんもうき:春と秋に毛が大量に生え替わる時期)には毎日ブラッシングしないと毛玉ができやすくなります。
ゴールデン・レトリバーほど抜け毛量は多くないと言われますが、「少ない」わけではなく、大型犬なのでそれなりの量は覚悟が必要です。
シャンプーは月1〜2回が目安。
水遊びが好きな子は泥だらけで帰ってくることも多いので、「週1シャンプーになることもある」という飼い主さんの声もあります。
特に注意したいのが耳の手入れです。
フラットコーテッドは垂れ耳(たれみみ:耳が下に垂れている形状で、通気が悪く湿気がこもりやすい)なので、外耳炎になりやすい傾向があります。
水遊び後は特に丁寧に乾かすことが大切です。


愛犬・愛猫の写真を「形」に残してみませんか?私たちが運営するオーダーメイド刺繍のお店では、写真から世界に1つだけの刺繍アイテムを作ることができます。
多摩の刺繍屋 オンラインストアを見る →知っておきたい健康面の注意点
「元気で丈夫そうに見えるけど、実は気をつけることが多い」というのが、フラットコーテッド・レトリバーを知れば知るほど出てくる正直な印象です。
まず最も知っておいてほしいのが、この犬種は他のレトリバー系と比べて腫瘍(がん)の発生率が高いという報告があることです。
平均寿命が8〜10年と、同じ大型犬の中でもやや短い傾向があるのは、この健康リスクと関係していると言われています。
定期的な健康診断と早期発見が特に重要な犬種です。
その他に気をつけたい健康リスクを以下にまとめます。
- 胃捻転(いねんてん):大型犬に多い、胃が回転してしまう緊急疾患。食後すぐの激しい運動は避けること
- 股関節形成不全:大型犬全般に見られる関節の発育異常。適切な体重管理と過度な運動を避けることが予防になる
- 外耳炎:垂れ耳のため耳の中が蒸れやすく、炎症を起こしやすい
- 肥満:食欲旺盛なため、食事量の管理が必要。適切な体重を維持することが多くの病気の予防になる
ペット保険への加入は、この犬種においては特に検討する価値があると感じます。
ペット保険の選び方については、補償内容や月額の比較をまとめた記事が参考になります。






フラットコーテッドと暮らした人の声
一般的な傾向をもとに構成した声です。
飼い主さんたちのリアルな感想をご紹介します。
成犬になっても全力で走り回るので、最初は驚きました。でも、その子犬っぽさが毎日笑顔にしてくれます。疲れるけど、それを上回る愛しさがある犬種です。
運動量が多いと知っていたつもりでしたが、実際は想像の1.5倍でした。雨の日でも室内で遊ばせないと落ち着かないことがあります。覚悟が必要です。
子どもへの接し方がとにかく優しくて驚きました。小さな子どもにも尻尾を振るだけで、吠えたり威嚇したりは一切ありません。家族犬として最高の存在です。
10歳で腫瘍が見つかりました。定期健診を続けていたので早めに対処できましたが、この犬種を飼うなら健康診断は絶対に欠かさないでほしいと思います。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
こんな飼い主・こんな環境に向いている


フラットコーテッド・レトリバーは「誰にでも合う万能な犬種」ではありません。
向いている環境と、正直合わせるのが難しい環境があります。
「初心者には向かない」と書きましたが、正確には「初心者でも情熱があれば飼えるが、覚悟と準備が必要」という感じです。
しつけやすさという点ではレトリバー系の中でも優秀な部類ですが、パワーと運動量を管理できる体力と環境が必須です。
また、長時間の留守番は苦手な傾向があります。
人が大好きで孤独に弱いため、毎日長時間一人にしてしまうと分離不安につながることも。
共働きで犬を飼うことを検討している方は、こちらの記事も参考にしてみてください。



お迎えから日常ケアまで、最初にやること
フラットコーテッドをお迎えするステップ
STEP1 ブリーダーを探す
日本では希少犬種のため、信頼できるブリーダーを時間をかけて探すことが重要。犬種クラブへの問い合わせから始めるのがおすすめです。
STEP2 環境を整える
大型犬が動き回れるスペースの確保、フローリングの滑り止め対策、十分な広さのサークルやクレートの準備を事前に済ませましょう。
STEP3 ペット保険に加入する
腫瘍リスクが高い犬種のため、お迎えと同時期に保険を検討。補償内容と月額のバランスを比較して選びましょう。
STEP4 トレーニングを始める
子犬期からポジティブなしつけを開始。パワーがあるため、引っ張り癖や飛びつきは早めに対処しておくと後が楽になります。
「飼ってみたい!」と思ったら、まず何から始めればいいのか。
フラットコーテッド・レトリバーをお迎えするための流れをざっくりまとめました。


愛犬・愛猫の写真を「形」に残してみませんか?私たちが運営するオーダーメイド刺繍のお店では、写真から世界に1つだけの刺繍アイテムを作ることができます。
多摩の刺繍屋 オンラインストアを見る →よくある質問
フラットコーテッド・レトリバーについて、特によく聞かれる疑問にお答えします。
フラットコーテッド・レトリバーはゴールデン・レトリバーと何が違うの?
最大の違いは被毛の色と精神的な成熟のスピードです。フラットコーテッドは主に黒・肝色で、ゴールデンより「子犬期が長い」と言われます。運動量はどちらも多めですが、フラットコーテッドの方がよりアクティブな傾向があります。
マンションでも飼えますか?
体のサイズと運動量を考えると、広いお庭があるか、毎日十分な運動に連れ出せる環境が必要です。マンションでも不可能ではありませんが、1日2時間以上の運動を確保できるかが最大のポイントになります。
フラットコーテッド・レトリバーの子犬の値段はどのくらい?
日本では希少犬種のため、30万〜60万円程度が相場と言われています。ブリーダーによって幅があり、血統や健康診断の内容によっても変わります。安すぎる場合は健康面のリスクがないか確認することをおすすめします。
他のペットや子どもとうまくやれますか?
社交的で温和な性格のため、子どもや他の犬とは比較的仲良くできる傾向があります。ただしテンションが高いため、小さな子どもや小型犬に対しては、最初から目を離さずゆっくり慣らすことが大切です。
吠えやすい犬種ですか?
番犬気質は低く、むやみに吠えまくる犬種ではありません。ただし退屈したり、エネルギーが有り余っているときに吠えることはあります。十分な運動と精神的な刺激が、無駄吠え対策の基本になります。
「永遠の子犬」と生きることを、楽しめる人へ


フラットコーテッド・レトリバーは、正直に言って「誰にでもおすすめできる犬種」ではありません。
でもそれは、「特別な人と特別な関係を築ける犬種」ということでもあります。
毎日一緒に走れる体力と時間がある人、大型犬のパワーをしっかり受け止められる環境がある人、そして何より「成犬になっても子犬みたいにはしゃぐ姿を愛せる人」には、これ以上ないほど相性のいい犬種です。
健康リスクについては正直なところ向き合う必要がありますが、それを知った上でお迎えを決めた飼い主さんたちが口を揃えて言うのは、「後悔したことは一度もない」という言葉です。
つやつやの黒い被毛を輝かせながら全力で走ってくるその姿は、一度見たら忘れられません。
同じく大型犬の飼い方が気になる方は、バーニーズマウンテンドッグの記事も参考にしてみてください。
あなたと「永遠の子犬」の縁がつながることを、私たちも応援しています。












